START
虫歯が歯髄まで達し根尖の先に膿がたまっています
ファイルと呼ばれる器具で壊死した歯髄を取ります。
ファイルが根に到達した時痛みが伴います。
消毒と根管の清掃を数回行い根尖の炎症がだいぶおさまってきました。
でもまだまだです。
炎症がなくなりました！
次は根管充填です。
GOAL
垂直加圧根管充填で根尖までゴム製の樹脂を詰めます。
根の先まできっちり詰めるので痛みが伴います。レントゲン撮影をしてきちんと根管充填ができているか確認します。
垂直加圧根管充填（大谷エンドドンティックス）
米国式根管充填オブチュレーションシステム
日本の歯科大学では、今でも側方加圧根管充填を学びます。これには、シーラーという空隙を埋める一種のセメントを用いますが、シーラーは時間の経過とともに劣化していくのが分かっています。そのため、根管治療の結果時間経過とともに空隙が生じ、再治療が必要になることも、最悪抜歯になるケースもあります。現在シーラーの研究は進んでいますが、空隙問題は終わりません。そこで、ノンシーラーテクニックという概念が生まれ、シーラーの無い根管充填法が生み出されました。根管形成を十分且つ繊細に行って半永久的に吸収や変性しないガッタパーチャで緊密に充填する方法です。代表的なものは、オピアンキャリア法とオブチュレーション法です。
日本歯内療法学会の初代会長大谷満先生はオブチュレーション法の先駆者で、当院院長は大学卒業後その技術を直接大谷先生に学びました。
以降、根管治療のすべての症例を垂直加圧根管充填のオブチュレーション法で行っております。これは日本の歯科医院では非常に稀なことでありますが、逆に歯科治療に保険が効かないアメリカでは予後の良い垂直加圧充填がポピュラーなのです。
症例紹介
治療前
治療後
- 治療内容
- 右下4，5番根管治療
- 費用
- 約10,000円（健康保険適応）
- 治療期間
- 一か月
- リスク・副作用
- 右下の歯にうずくような痛みがあると来院。レントゲンで大きな歯根嚢胞を確認。
右下5番は根管に側枝という横穴が開いてそのせいでその部分にも嚢胞がありました。一般的な側方加圧充填ではこの部分は充填剤が入らないため抜歯になってしまうケースです。
根管治療を4回行い症状がなくなったため根管充填を行いました。
垂直加圧根管充填できちっと根尖にも側枝にも充填剤が入りました。側枝に充塡剤がしっかり入っているとこのようにレントゲンに写ります（部分）。処置後3年経過しましたが快適だそうです。